第2章 黒の教団
「そうだな。こいつのイノセンスがどんなものかはまだ見たことがないが、イノセンスを持っていることに変わりはない。一度だけ、アクマを倒したところを見たからな」
「へー……なら、まぁ大丈夫そうだね」
話が終わったのか、門が鈍い動作で空いていく。
ボクは何が何やらわからない状態で、クロスに引っ張られて門の中に進んでいく。
門に入るとツインテールの女の子がこちらに走ってくる。
その子はボクの前まで来るとニパッと笑う。
「ようこそ! 黒の教団へ!! 私の名前はリナリー・リー。リナリーって呼んでね! あなたは?」
「ボクの名前は梓……。神田 梓」
そういうと、リナリーは驚いた顔をする。
なんか変なことでも言ったのかと、クロスを見ればクロスもなんだか変な表情をしていた。
固まっている二人にどうしたらいいのかわからなくて、二人の顔の前で手を振ってみたりしてみるが効果はない。