第2章 私の彼氏は大王様【及川徹】
【及川】
サーブ練習が終わり、休憩になった時だった。
キョロキョロ周りを見渡すが美咲の姿はなかった。
「ねえ、岩ちゃん、美咲見てない?」
「ボトルが一本も無いから補充何じゃねえのか?」
皆汗だくで水分補給が出来なきゃ再開してもフラフラだ。
「ドリンクありましたけど」
金田一が籠を持ってやってきた。
「どこにあったの?ソレ…」
「体育館の外っす」
「はぁ!?」
作った本人は!?
「ドリンク作りに行ったの20分くらい前ですよ」
国見ちゃんが言いオレは時計を見た。
ドリンク作りに20分なんて美咲だったら掛からない。
じゃあ一体どこに……
「岩ちゃん、オレ捜してくるから…後よろしくね!」
「クソ川!!サボんな!!」
ごめんね岩ちゃん。
今はそれどころじゃないんだ。
走って部室に向かいガチャッと、ドアを開ければ中はシーンとしていた。
「まさかね……」
ごめん、美咲開けちゃうよ。
美咲のロッカーを開ければあるはずの制服が掛けてなかった。
「ちょっと、マジ?」
帰ったの!?あの子!!なんで!?
オレは部室を飛び出し再び走った。