第6章 彼女が小さくなりました【及川徹】
「おいかわ~」
「徹くんって呼んで」
「おいかわ~」
「じゃあ美咲、この人は?」
俺は岩ちゃんを指した。
「いわちゃん!」
「次、あの人とあの人は?」
「マッキー!まっつん!」
「じゃあ、あの2人は?」
「きんだいちとくにみちゃん!」
「じゃあ、俺は?」
「おいかわ!!」
何で俺だけ及川?
金田一もか…
「じ、じゃあ美咲は誰が好き?」
「いわちゃん!」
即答だった。
迷いなく岩ちゃんを呼んだ。
「いわちゃん~すき~!!」
「お~!そうか。俺も好きだぞ」
「お、ついに及川と別れたのか」
「俺たちもいい物件だからな」
「ちょっと!別れてないからね!」
俺は岩ちゃんの所にいた美咲に手を触れた。
「いやぁぁぁ!!いわちゃぁぁん!」
「何で!?何で及川さんで泣くのぉぉ!?」
及川さんも泣いちゃうよ?
「及川、諦めろ。俺が面倒見るから…」
「岩ちゃん、顔…緩んでるから」
結局その日美咲が俺に懐いたのは牛乳パンの時だけだった。