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【DB トランクス】〜魔法使いの初めての感情〜

第2章 再会



「ん…。」

窓から差し込む朝日で目が覚めた。

昨日の心臓の高鳴りは落ち着いていたがふわふわとした感覚だけはまだ残っていた。

「まだ…不思議な感覚。」

私はゆっくりベッドから降りるとフウを起こした。
むっくりと顔を上げたフウは伸びをするとガウ!っと一声鳴いた。

「さてっと、今日は動物さん達に木の実のクッキーを作ってあげる約束だね。フウもお手伝いよろしくね。」

歯を磨き顔を洗い、髪の毛を軽く束ねる。
その時鏡に映った私の顔はどこか抜けている。
余りに間抜けた顔だ…。
私は頬をパンパンと少し強めに叩いた。
「もう、しっかりしてよ私。」










「フウ、そっちはどう?」

「ガルル!」

しばらくして家を出た私とフウはクッキーに使う木の実を集めに来ていた。

「うん!いっぱい採れたね。これだけあれば余るくらい作れちゃうかな…。」

その時ふと、

”…もしかしたら近い内にトランクスさんが遊びに来てくれるかな。”

そんな事を考えた。

「彼の分も作っちゃおうかな…。」

心の声ではなく無意識にぽつりと言ってしまったようでフウが振り向く。

「あ、ううん!独り言!」

フウは不思議そうに首を傾げた。

「そ…それじゃそろそろ戻ってクッキー作ろっか!フウの分も沢山作るからね!」

木の実を入れたカゴをさっと取ると私はそそくさとほうきに跨る。

フウはいつもとは違う私の様子に心配したのか、今日は様子を伺うように私の後ろを飛び後へ続いた。







家に着いた私とフウは早速クッキーを作り始めていた。

「あ、フウったら!先に木の実食べちゃったら足りなくなっちゃうでしょ!」

「ガルルゥー!」

そんなやり取りをしつつ私は慣れた手つきで生地をこね、オーブンへ入れてはまた生地をこねた。

一時間ほどして、ようやく全てが焼き上がり花柄のラッピングバッグにクッキーを詰めた。

「…これでよしっ。それじゃあフウ、出来立ての内に森の動物さん達みんなに配ってきてね。あ、ちゃんとフウの分もあるんだからみんなの分は食べちゃダメだからね!」

そう言いながらクッキーが沢山入ったかごをフウの首にくくり付けた。

「じゃあ、気を付けてね。」

私がそう言うとフウは何度か翼をバサバサと動かした後、地を蹴り空を飛んだ。
フウが見えなくなるまで見送った後私は家に入った。
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