第1章 出会い
そう言うと彼は苦笑いを浮かべた。
私もそんな彼にクスッと笑った。
いつしか最初の動揺も無くなり、その後もしばらく彼と他愛もない話をした。
人とこんなに話をするのは本当に久しぶりだった為か純粋に会話を楽しんでいた。
夜も更けてきた頃私は彼に帰り道を教えた。
彼を見送る為、私も一緒に外へ出る。
何となく心細い感じがした。
すると帰り際に
「そういえばまだ名前を聞いてなかったね。俺はトランクス。君は?」
彼はハッと思い出したように名前を教えてくれた。
何だかわからないが、何となく心がぽっと暖かくなる感じがした。
私もそれに答える。
「私は…輝夜。」
「輝夜ちゃんか、良い名前だね。道も分かったし今度また遊びに来てもいいかな?その…御礼もしたいし。」
トランクスは照れ臭そうに頭を掻きながらそう言った。
「は、はい!いつでも来てください!」
頬が熱くなる感じがした。
でも本当に嬉しかった。
地球で初めての友達が出来たのだ。
だが、不思議とずっと心臓が高鳴るのを感じていた。
今までにない経験だったが今の私には嬉しさの方が上回っていた。
「本当かい?ありがとう。それじゃ、また今度ね。」
トランクスはそう言うと、なんと身体が宙に浮いたかと思うと物凄いスピードで空を飛んで行ってしまったのだ。
私は驚きのあまりその場に固まってしまった。
「…か、彼は…何者?人間じゃ…ないの?」
だがトランクスが空を飛んだ事よりも私の心臓は別の何かに対して高鳴り続けていた。
一部始終見ていたフウが心配して私の所まで来た。
固まってる私にフウは頭を擦り寄らせる。