第5章 告白
私は呆然としながら、
「あ…あ…ありがとう…ございます。」
と礼を言った。
トランクスは私の方を向き、
「もう少し遅かったら危なかったよ。それにしてもどうしてこんな場所にいるんだい?」
と私に問いかけた。
咄嗟に、
「あ…その…さ…散歩してたら洞窟を見つけて…入っちゃって…その…。」
私は本来の目的を隠しあやふやに答える。
「女の子が一人でこんな所に来ちゃダメだ。いくら輝夜ちゃんが森を知り尽くしていたって時にはこんな危ない所だってあるんだ。」
トランクスは少しだけ強い口調で私を叱った。
胸を”病”がぎゅっと締め付ける。
いつもより苦しい。
何故だか分からないがいつも頬だけが火照るのが今は瞼が熱い。
だんだんトランクスがぼやけて見えなくなる。
すると私の目から涙が溢れ出した。
「…ごめ…なさい。」
またしても感じた事のない気持ちに困惑しながら私は涙を止める事が出来なかった。
そんな私を見たトランクスも動揺した。
「え…あ….ごめん、そんなつもりで言ったわけじゃ…。」
そういうと私から目を逸らした。
私も今の感情が理解出来ない、だが自然と溢れる涙は止まらない。
先ほどの恐怖とは違う何か。
その何かが理解出来ないのだ。
そんなもどかしさを感じながらも必死に涙を止めようとしていた。
「違うんです…トランクスさんのせいじゃなくて…ただその…びっくりしたというか…。」
うまく説明は出来ないが伝えようとする私を見て、トランクスは少し苦笑いを浮かべた後、
「でも…本当に無事でよかった。」
といつもの穏やかな表情に戻っていた。
私も徐々に落ち着きを取り戻した後、先ほどの事思い出して聞いた。
「…あ!そういえばトランクスさんは何故宙を飛べるんですか?」
平静を装い涙を拭いながら聞いた。