• テキストサイズ

【DB トランクス】〜魔法使いの初めての感情〜

第5章 告白



「ほうき…持って来ればよかった。」

荷物はさておき、ほうきまで置いてきてしまった事を後悔した。
一旦戻る事も考えたが探していた物が目の前にあるのだ、目を離す訳にはいかない。
私は何か棒のような物がないかと辺りを見回した。
すると、朽ちかけてはいたが少し長めの木の棒らしきものを見つけた。
私はその棒を手に取り、再びその場所へ膝をつきドラゴンボールへ向けて目一杯棒を掴んだ手を伸ばした。
しかしドラゴンボールはビクともしない。
相当深くに挟まっているようだった。

私は腕が千切れそうになるほど何度か強めにドラゴンボールを突いた。

その時だった。

朽ちていた棒の先がボロボロと崩れ、突いた勢い余って私の上半身は滝壺へと投げ出された。

「きゃっ!」

私は咄嗟に石の縁を掴んだ。
落ちはしなかったものの元いた場所よりも少し下の岩を掴んでいるためよじ登る事が出来ない。
岩が私の手に食い込み痛みが走る。
私が必死に掴んでいる岩も少しずつ崩れ始めている。
このままでは滝壺へ落ちてしまう。
水辺とは言っても何十メートルあるか分からない、落ちてしまったら大怪我では済まないだろう。

掴んでる石がポロポロと崩れ顔に当たる。

「あぁ…手が…もう…!」

崩れる石より先に私の手が限界を迎えた。
私はそのまま急速に落下した。

「いやぁーーー!」

もうダメだと目を強く瞑った。












その時だった。
風を激しく切るような音がした。















「輝夜ちゃん!」

聞き覚えのある声が私を呼ぶのが聞こえたかと思うと同時にふわっと身体が浮かんだ。
そしてゆっくりと開けた目の前のすぐ近くにいつも思い出してしまう顔があった。

「ト…トランクス…さん…。」

それは紛れもなく、トランクスだった。
そしてさらに驚いた事に私を抱きかかえたトランクスは宙を浮いていたのだ。

「えっ!あ、あの…トランクスさん浮いて…。」

私は様々な事が起き過ぎて混乱してしまい言葉をちゃんと発する事ができなかった。
トランクスは私を抱えたまま素早く浮上し元いた場所で私を降ろした。
私は腰が抜けその場にへたり込む。
トランクスも息を切らしバタッと座り込んだ。

「はぁはぁ…良かった…間に合って。」

トランクスは息を切らしながら両手を後ろへつき上を向いてそう言った。
/ 24ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp