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【DB トランクス】〜魔法使いの初めての感情〜

第5章 告白



洞窟に入って数分ほど経った。
しかし道は狭いままで一向に終わりが見えなかった。
たまに天井から滴る冷たい雫が私の身体をビクッと震わせた。

「うー。やっぱりこんな場所にある訳ないのかな。」

一本道なので迷う事はないものの、どうしても暗闇が私を不安にさせる。

そう思った矢先だ、手を這わせながら歩いていた横壁が突如途切れたのだ。
ハッとし前を見ると私は目を疑った。
そこは今まで通ってきた一本道とは打って変わり、天井が見えないほど高く辺りも広々とした空間が現れたのだ。
それだけではなく、石肌のあちこちがキラキラと輝き、まるでクリスタルの原石を連想させるような見た事のない綺麗な光景だった。

「…綺麗。」

思わぬ光景に暫し目を奪われその場に立ち尽くしてしまった。
ここまでの道程の恐怖はこの光景を目にし全てが吹き飛んでいた。

ハッと我に帰り、最初の目的を思い出した私はようやくその空間の奥へと進んだ。
綺麗な光景に見惚れていた私は最初は気が付かなかったのだが、よく耳を済ませると何処からか水の音が聞こえてくる。
何となくその水の音を頼りに道を進むとそこには大きな滝があり、聞こえていた水の音は滝壺へと打ち付ける水の音だったという事が分かった。
ここは本当に洞窟の中なのかと錯覚してしまうほどの広大な光景だ。
滝から大量に流れ出る水がキラキラと光る岩肌を濡らし、その輝きが一層強まっていた。
またしても私は見惚れてしまった。

その中に今まで見てきた透明な輝きとは別に、足元から2メートルほど下にオレンジの光が見えた。
そのオレンジの光はゆっくりとした一定の間隔で不自然に点滅を繰り返す。

「あれは?なんの光だろう。」

私は膝をつきオレンジの光へと目を凝らした。
確かに不自然な点滅を繰り返すそれは、人の手で作り上げたような丸みを帯びた玉であることが分かる。
その玉の中心には赤い星が2つほど描かれている。

「これって…もしかしてトランクスさんの言ってたドラゴンボール!?」

ドラゴンボールの特徴であるオレンジ色が目の前にある物と当てはまり私はそう確信した。

しかしドラゴンボールはヒビが深く入った岩の間にぴったりと挟まってしまっているようで簡単には取れそうもない。
そればかりか、手を伸ばしたとしても2メートルほど下にある為届くはずもない。

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