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【DB トランクス】〜魔法使いの初めての感情〜

第4章 探し物



気がつくと朝になっていた。
窓から差し込む光が私の目を覚まさせた。

「あれ…もう朝だ。」

この数日間で私は寝不足気味になっている。
まだ眠たい目を擦りながらベッドから出る。
同時にフウも起きた。
私は目を覚ますために冷たい水で顔を洗った。
目は多少覚めたもののやはり症状は続いていた。
私は椅子に座ると

「はぁ…。」

と溜息をついた。

様子がおかしい私にフウはゆっくり近づき、私の腕の中に頭を擦りよらせた。
私はそんなフウの額を軽く撫でる。

「そうだよね…。変だよね、私。」

力なく微かに微笑む私をフウは静かに見つめていた。




私達が朝食を取った後の事だった。
フウが食べ終わった食器も下げずに外へ出る扉へ向かっていたのだ。

「あれ、フウ?今日何処かへ出かける用事なんてあったっけ?」

私は食器を重ねながらそう尋ねた。
フウは振り向き、

「ガウ!」

と一声鳴いたかと思うと扉を開け何処かへ飛び立ってしまった。
フウが一人で出かけるのは本当に珍しい事だ。
予定があるならいつもは教えてくれるはずなのだが今日は本当に急な事だった。

「…今日は1人…か。」

食器を洗いながらぽつりと呟いた。





私は食器を洗い終え、いつものハーブティーを飲みながら考え事していた。

「恋人か…。みんな特定の異性を恋人にするにはどうしているのかな。」

これが今の大きな課題だ。
相手をどう振り向かせ、どういう流れで恋人になるのかが全く分からないのだ。
今までの知識はほとんど本から学んだ事が多い私にとって今回の事は本にも載っていない事だ。

「なにかヒントくらいあればいいのに…。」

私は途方に暮れ頬杖をついてまた溜息が漏れた。







気がつくと寝不足のせいかテーブルに伏せたままうたた寝をしていた。
時計は正午前を指している。

「あ…寝ちゃった…。」

私は伸びをしながら大きくあくびをした。
すると外で”バサバサッ”と音がした。
どうやらフウが戻ってきたようだ。

私が扉を開ける。

「おかえりフウ。どこへ行ってたの?」

そう問いかけるとフウは口に咥えていた物を私に差し出した。
それは白い花の束だった。
この白い花は私の大好きな花だ。
花びらが大きく甘い香りがする。

「フウ…もしかしてこの花を探しに行ってたの?」
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