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【DB トランクス】〜魔法使いの初めての感情〜

第3章 病名



しばらくするとフウが帰ってきた。

私の真っ赤に染まった頬を見てフウは首を傾げる。

「お…おかえりフウ!届けてくれて…あ…ありがとね。わ…私は何でもないの!大丈夫だから!」

聞かれてもいないのに私はそう答えた。
フウは相変わらずよく分からないみたいで心配そうに私を見た。
当然だ、今までこんなに動揺している私を見た事などない。
あまり心配ばかりかけてはダメだ、冷静になろう。


「よ…よし!お腹空いたでしょ?そろそろ夕ご飯作るから待っててね!」

少しばかりの空元気で夕飯の支度に取り掛かった。






夕飯も済み、そろそろ瞼が重くなってきた。
私とフウはいつもの場所へ腰を下ろす。
フウはクッキーを配り森を回った為か直ぐに寝息を立てた。

「まただ…。また胸が苦しくて…顔が熱い。」

昨日と同じ症状を感じていた私はまた寝付けずにいた。
そして今日の出来事を思い出していた。

「トランクスさんがくれたタルト。美味しかったな…。」

不意にトランクスのにっこりと笑った顔が浮かぶ。
増して何かが胸をキュッと締め付けた。
呼吸まで苦しくなる。

「一体…なんなんだろう、この気持ち。」

風邪による熱ならもっと気だるく身体も起こせないはずだ。
しかし今の症状は、発熱に似た感じはあるもののトランクスの事を考えた時だけに起こる。

「…そうだ。魔法医療の書にこの症状が載っているかも。」

私はフウを起こさないようにそっとベッドを抜け出し直ぐ後ろにある扉を開けた。
この部屋は”書の部屋”と呼んでいる。
様々なジャンルの魔法の参考書は勿論、ポーションを作る時にも書の部屋を使っている。
危険な薬物もある為、身体の大きなフウは立ち入り禁止にしてある。

私は机のランプに火をつけ魔法医療の書を探した。

「えーっと…確かこの辺に…あ、これだ。」

私は白い表紙に魔法陣が描かれた書物を手に取った。
この魔法医療の書はとても分厚く探すのには時間がかかりそうだ。
私は1ページ1ページに目を配らせ今の自分の症状に当てはまる病を探した。

しばらく読み続けた途中、気になる症状が記載されたページを見つけた。
そこにはこう記載されてある。
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