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【刀剣乱舞】それは、確かに恋でした

第1章 崩れる、音がする


泣きじゃくる僕の背中をさすりながら、鶴丸は僕を部屋へと連れて行く。
その途中、池近くにある橋の上で、浦島くんとお兄さん達がじっと座ってた。
いつもは、「贋作」だの色々言い合ってるのに、全然しゃべらない。
静かなまま、3振りとも黙って池を見てる。

「そっとしておこう」
「……うん」

厨房では、堀川派が居た。

「兄弟、大丈夫? 無理してない?」
「――大丈夫だ。無理はしてない」
「無理は禁物だ。お前が被ってるのは、拙者のだろう?」
「――!! 単に間違えただけだ」
「疲れてるんだよ、兄弟」

僕は、じっと三振りを見ていると、鶴丸に腕を引かれ、また歩き出す。

「辛いのは、皆同じだ」
「――うん、わかってる」

きつい、辛い、嫌だ。
ほっといてほしい、そっとしておいてほしい。
そう思ってるのは、皆一緒だって理解はしてるよ。
僕だけが辛いなんて思ってないよ……。

でも、ちょっとくらいおちつくまで時間がほしいのに。
そんな時間すら、許されない。

「悲しいのは、俺らだけじゃない」

そう鶴丸に言われ、とある一室に案内された。
そこは、初めて優大様が紹介された広間だ。
その広間に案内されると、上座に優大様が座ってた。
その下に、主の息子と奥様が座ってる。

――新しい、主か。
僕らの主になった優大様の目は真っ赤に腫れていた。
だから、鶴丸は僕に無理をさせて、ここに連れてきたんだ。

仕事が忙しい両親の代わりに、僕や主が優大様の世話をしてた。
そのせいで、優大様は両親より僕や主と仲が良かった。
なのに、主はもう居ない。

残されたのは、僕一人。
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