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【刀剣乱舞】それは、確かに恋でした

第1章 崩れる、音がする


「姫……。泣いてもどうにもならないぜ……?」

鶴丸が、背中をさすってくれる。
それでも、主への罪悪感は止まらないんだ。
だって、僕は近侍。
主を守らなくちゃいけないのに。

これが、他の刀剣だったら、絶対主は生き延びてた。

「誰が悪いわけでもないって、落ち着け」
「でも、でも、鶴丸……」

鶴丸が、優しく僕の頭を撫でてくれる。
――昔、僕が失敗した時も、こうやって主が頭をなでてくれたっけ。

『良い子じゃ。姫は、良い子じゃ』

僕、僕……、全然良い子じゃありません。
主を助けられなかったんです。

「姫……」

鶴丸が、僕を抱きしめてくれる。
その日、僕は鶴丸の胸を借りて精一杯泣いた。

そして、気がつけば布団の上。
いつ眠ったかなんてわからない。
それくらい、僕は疲れたんだ。

むくり、と起き上がると横には大量の短刀ちゃん達が居た。
皆、目が真っ赤に晴れてる。
乱ちゃんなんて、このまえ主が縁日で獲ってくれたクマのお人形を抱っこして眠ってる。
凄く欲しがってたクマなのに、全然穫れなくて。
たまたま通りかかった主が、一発で獲ってくれたクマ。
主が死んだ今では、遺品になってしまった……。
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