第2章 目覚まし係*ロー*
コンコン
「船長ー。入りますよー。」
ノックと同時に扉を開け中へ入った。
目の前には積み上がった書類で溢れかえっている後ろのベッドで音もたてず静かに眠っている船長の姿を見つけた。
「もう。また夜更かししたんですか。 船長ー、起きてくださーい。朝ですよー。」
いつもと同じく船長を揺すりながら声をかける。
慣れというものは怖いものだ。
まず始まりは誰が船長を起こしに行くか決めるじゃんけんで負けたことだった。
いつも起こしに行くとバラされた、とかあの怖い目つきで睨まれた、とか良い話など一つもなく誰も進んで行きたがらないのでじゃんけんで決めていた。
そしてとうとう自分に番がまわってきてしまったのだ。
びくびくしながら意を決して起こしにいったら
なにもされなかったのだ。
それで私なら大人しく起きてくれる、という話が出回り私がその係になったのだ。