第4章 私という私*ルフィ*
だんだん食べてる自分が惨めになってきた。お皿にはお肉がこんもり盛ってある。
はしでお肉を何枚か挟むが、口に運ぶことができなかった。
それどころか涙がじわっと滲んできた。こんなところで泣いちゃいけないことはわかってるけど、涙は今にもこぼれ落ちそうだった。
「なんだぁオメェ、食わねーのか?」
急に声をかけられてびっくりして涙がひっこんだ。隣を見るといつの間にかナミじゃなくて頬をパンパンにしたルフィが座っていた。
「ル、ルフィ。」
急いで涙を拭い箸を置こうとしたら、その手を止められた。
ルフィの方を見るとこちらをじっと見ている。なんとなく気まずくて目を背けてしまった。
するとルフィが押さえていた私の手を誘導して肉が挟んである箸を私の口元に突き出した。
「ん!?」
「食え!」
少し真剣な眼差しで言うから、躊躇しながらもパクッと食べた。
「うまいか?」
「……うん…。」
「らしくねーじゃんか!いつものお前じゃねーと調子くるっちまうよ。もっと一緒に食おうぜっ!」
と言っていつものようにしししっ、と笑った。
「うんっ!!」
このさりげない優しさが私の心を高まらせる。
それから私はルフィと気の済むまま食べまくった。流石に途中でギブアップしたけど。
やっぱり大食いだって言うのはばれてたけど、ルフィの言葉でそんなのどうでもよくなった。
周りは周り。自分は自分。
ありのままの自分を好きになって貰おっと。