第2章 仲間
今日はある歌番組の収録がある。ボクが楽屋に着いた頃にはもう3人は揃っていて、各自好きなことをして過ごしていた。レイジはマジックの練習、ランマルは寝ていて、カミュは本を読んでいた。いつも通りの様子だ。
嶺二「おっはよー!アイアイ!!」
「うん…おはよう」
適当に返事をし、ソファーに座り少し考えた。さっき決心したものの、まだ少し迷いがあった。どんな反応をされるか予想がつかなかったから。ロボだから計算は得意なはずなんだけどな…。ふいに、ショウが前に言っていた言葉が浮かんだ。
「迷っても、とにかく前に進んでみるんだ!」
…ショウらしいな。そうだよね、迷ってても仕方ない。ありがとう、ショウ。ボクは本当にいろいろな人に支えられているみたいだ。そう思うと、少しココロが温かくなった気がした。…よし。さっきよりももっと強い決心をし、思いきり息を吸い込んだ。
「ねぇ、みんな。ボク、みんなに言わなければいけないことがあるんだ…」
嶺二「お!なになに!アイアイ、何かお悩み事かな?お兄さんはなんでも聞いちゃうよん♪」
「えっと…その…」
蘭丸「んだよ、早く言えよ」
「…っ。実はね、ボクは…」
言うって決めたんだ…!!
「実はね、ボクは人間じゃないんだ。ロボット。ソングロボなんだ…!」
嶺二 蘭丸 カミュ「!?」
みんな目を見開いてこっちを見ている。驚いて声が出ないのだろう。ボクがいきなり冗談を言う事なんてないって分かってるから。でもボクは構わず続けた。
「ずっと黙っててゴメン。このことはトップシークレットであったし、話すかどうか迷ってたんだ。実際、このことは話さなくても仕事に支障はないし、むしろボクにとっては話さない方が都合が良い。きっと昔のボクなら話していなかったと思う。だけど…だけど今は違って…なんというか、もっとココロを感じたくて…!人間の気持ちに近づきたくて…!!だから…えっと…」
いろいろな思いが溢れて、うまく言葉にできずにいた。しばしの沈黙。
嶺二「え…えーっと…」
さすがのレイジも戸惑っていていた。そうだよね…。ボクは首筋辺りにある、小さなドアのような物を開けて中のコードを見せた。
蘭丸「マジかよ…」
「…っ。ゴメン…」
またしばらく沈黙が続いた後、レイジが話し出した。