第2章 一夜
思わく通りだ
予想通りモデルをしていると言う彼女は、スタイルもいいし着てる服のセンスも嫌いじゃない
暫くはオーナーも一緒に会話の中にいたけど、頃合を見計らって席を立った
「この辺に住んでんの?」
「ニノ橋の方に」
「ふーん、ニノ橋か?」
「わかる?」
「わかるよ?麻布十番の先でしょ?」
「男と住んでんの?」
「え?彼氏なんていないから」
「嘘付けー」
「ホントに」
「えー、なんで?つくらないの?振られたばっかとか?」
「そう言うわけじゃないけど・・・・・・」
顔も俺のタイプだったし、色気も程よくあってぶっちゃけ性欲が疼く
酔うと人肌が恋しくなってくるのは俺だけじゃないと思う
決して酒が弱いほうではないけど、何杯目かのロックで俺もいい気分になってた
仕事を忘れられるのは酔った時くらいで、だからオフの前の日なんかは深酒をしてしまうことが多い
仕事が嫌いとかそう言うわけじゃないけど過度なストレスやプレッシャーがのしかかってくるのは正直いつまでたっても慣れないから
「ねぇ、今日家に言ってもいい?」
「え?うちに?」
「行っていい?」
自分で言うのもなんだけど結構、つーか間違いなく肉食系男子ってやつ?
それに、酒に酔ってるとなんとなく酔ってるからって言い訳が出来る気がして
色々と悩むところもあるけど直感が働いたらそれに従う
だから女と付き合うときも一目惚れが多い
そして、その直感は案外当たってることが多いし
「でも・・・・・・」
「明日仕事早いの?」
「明日はオフだけど」
「じゃあいいじゃん?家で飲もうよ?」
もじもじしてるから
「あのさ、先に家に帰っててくれる?家に着いたら電話して?そしたら行くからさ」
そう言って、携帯の番号を教えた
15年以上アイドルやってると自分の身を守る術を嫌でも学習する
写真誌に撮られる訳には行かない
「わかった」