第2章 一夜
バスルームから出たらバスタオルとバスローブが脱衣所に置いてあった
女物だろう、少し小さいけど白一色のシンプルなものだったから抵抗なく羽織った
バスタオルで頭を拭きながらリビングに戻ったら
脱ぎ捨てたシャツやジーンズがたたまれていた
「バスローブさんきゅ!」
「私のしかなくて」
「まー、男の出されても驚くけどね。準備いいな?って。ピンクのフリフリ出されるよりはましだけど」
笑いながら答えた
「ねぇ、ビールビール!!喉かわいた」
彼女がソファーから立ち上がってビールを取りにいったすきに俺はソファーを占領してくつろいだ
テーブルの上はもう綺麗に片付けられてた
「お前、几帳面なんだね?」
「え?」
今洗ったばかりのグラスと冷えたビールを持って俺を見る
「女子はそう言うのがモテるんだ?」
ビールとグラスを受け取ってプシュッとプルトップを開けながらからかうように言った
「別にモテないけど」
少し照れながら拗ねたように言った
「俺はあんまりそう言うの気にしないけど」
グラスのビールを一気に半分くらいまで喉に流し込んだところで気が付いた
「あ、ごめん。こっち座る?」
彼女が立ちっぱなしだった
ソファーに座れるスペースを空けるように座りなおした
部屋の中なら誰にも見られないし?
ムリに近づかなくても距離は近くて
行動に移すのも楽に出来る
暫くはTVなんかを見ながら話しをしてたけど
頃合を見計らって彼女の肩に腕を回した
「なぁ、こっち来てみ?」
背中を深く背もたれに倒して引き寄せた
頭に手を回して撫でながら顔を埋めて深く息を吸った
「んー、いい匂い。シャンプーの匂い?俺もいま同じ匂いしてるんだよな?」
「え?うん、多分・・・・・・香水とかつけないから」
「でも、何か違うんだよなぁ。シャンプーだけじゃなくてお前の匂いがブレンドされてんのかな?きっと」
匂いフェチで自分の好きな匂いのする女はそれだけでもう合格って気になる
店で初めて見た瞬間からなんかピンと来てたけど、やっぱり勘は外れてなかったかな?
何度か深呼吸をして耳元にチュッとキスをした