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第9章 天然たらしの事情 :橘真琴 甘


{主人公}

私の席は橘くんより前だから 【授業中に盗み見////】 なんて楽しみもなく、ただ文字が増えていく黒板を睨みつけるか、飽きたら外を眺めるかどちらかしかない。

あぁ……今日はいい天気だな。

窓側の席ってほんと睡魔との戦いだよね。ほんと、うん。

片手で頬杖をつきながらボーっとしていた。

少し落ちてきてしまった襟足の後れ毛を指でくるくるしていたらチャイムが鳴った。

午前中の授業は終わり。

今からランチタイムだ。

「なつみ!ご飯食べよ!」

「今日は天気がいいから中庭にしようよー」

「えー、焼けるじゃぁん!いいよ教室で!涼しいし」

「確かに涼しいけどさー…なつみはどこで食べたい!?」

仲がいい…いわゆるいつものメンバーでご飯。

んー…外は熱いし…でも教室も人多いし……

……………あ!

『私食堂がいい。お弁当忘れた』

「…….、購買は今からじゃ売り切れだろうし…今日は食堂かー」

「えー中庭ーー!!!」

「独りで行ってこいよ。ほらーいくよー」


せっかく作ったのにな。




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