第9章 天然たらしの事情 :橘真琴 甘
{橘真琴}
「橘くんおはよう!」
「おはよ、…あれ?髪の毛切った?」
「えっ、うん/////」
「やっぱりー!そっちの方がスッキリしてて似合うよ!」
「あ、ありがと/////」
ハルと話してたら同じクラスの子が挨拶してきた。
ウチのクラスは基本皆フレンドリーだから大抵皆挨拶はする。
だからまぁ髪型の変化とかは、割かし気づくと思う。
あ…………―、
「…、井上ちゃんおはよ ニコッ」
『……………ぉ、おはよ』
あ、今日は髪型がお団子だ…やっぱり…うん/////
井上ちゃん可愛いいな…。
今日こそちゃんと可愛いって…
―スタスタスタ―
「って、あれ!?」
「??どうした、真琴」
「…あ、いや…井上ちゃん…」
「……………真琴は何で井上とあんまり話さないんだ?話したいんだろ?」
「ちょ、直球だな…。恥ずかしいんだよ/////」
「……………鯖を食え!」
「何で鯖!?…もーハルは返事に困ると直ぐに水か鯖をだすよねー」
「橘くんおはよー」
「あ、おはよ ニコッ」
「数学の課題やった?私さっき思い出したんだよねー」
「え?ヤバイじゃん。数学1限だよ?HRまでに終わらせちゃいなよ」
「数学苦手だし」
「だーめ!ほら、席行って課題終わらせてきな」
「はぁーーい」
「……………井上ともそう話せばいいんじゃないか?」
「えぇ!?ぁ…うん、そうなんだけど…」
そう言って井上ちゃんを見たら窓の外を眺めていた…。
やっぱり…可愛い/////
高校に入って2年。
井上ちゃんに恋をして―2年。
ハルの言葉に苦笑いを返すことしかできなかった。
他の子と話すのは緊張しないから普通に話せるのに…
井上ちゃんとなるとそうもいかない…
好きだから、何か凄く…緊張する。
今年中には好きだってちゃんと伝えれたらいいな。