第9章 天然たらしの事情 :橘真琴 甘
{主人公}
あ。橘くんだ。
背が大きいからすぐにわかる。
間違いない。
橘くんだ。
いつも教室でお弁当食べてるイメージだったのに、珍しい……。
なんだかこんな安っぽい食堂のメニューもちょっとオシャレなランチに見えなくもない。
私はその位浮かれている。
「ん!なつみなつみ!橘くんじゃん!」
『ぇ!だ、だからなんなのさ』
「もー維持張ってないで認めなよ。好きなのバレバレだからさ!」
『は!?いや、維持張ってるとかじゃないし…別に…』
「なつみはツンデレとかそんなんじゃないわ。ただの意地っ張り!」
「そーだそーだ!大丈夫!私たちは橘くんの事なんとも思ってないから!」
「いや!かっこいいとは思ってる!」
はぁ……、好きなこと位2年前から自覚済みですー。
でも、人に言われると…恥ずかしいってゆうか…なんと言いますか……。
何て思いながら橘くんを見ていたら…………
目が
合った。
え!?やだっ今ガン見しちゃってたよ、やばい気持ち悪いとか思われたかな!?
いやいやいやいや、たまたま!たまたま目が一瞬!一瞬合っただけであっただけで………
「井上ちゃん、隣……いい?」
…………………。
『…………/////、ぅん』
「よかった///ありがとう」