第1章 悲しいっていうか、 :橘真琴 切甘
真琴が好き。
いつからとか、どこがとかそんなの解らないけど。
けど、好き。大好き。
「んー、やっぱさっきの変だと思わない?ハル別にって言いかけてたよね?突然言われて戸惑ってるって感じだったし…凛との事だったらオレたちにだって…」
用事なんてあるわけないじゃん。
だって最後に後輩たちが私にくれた時間なんだから。
真琴と遙と3人でいつもみたいに帰るのだってよかったのにさ。
ほんと…ありがと。
『ねぇ真琴』
「ん?何?」
《好きだよ》って言ったら…どうする?
きっと困っちゃうよね。
真琴と遙と私。
いつまでも変わらない、幼馴染み。
「なつみ?」
『ちょっと…寄り道してこ!』
私はいつもの丘を指差した。
「ぁあ、うん。いいよ」