第8章 岩鳶 :橘真琴 切甘 続
「なつみがオレの隣から居なくなる。それがなんだか信じられなくて....なつみが決めた事だし応援したいって思いは本心だよ?でもやっぱそばにいて欲しかったのかもしれないな。それで、気づいたんだ。オレ、ちゃんとなつみの事好きなんだって。幼馴染としてとかじゃなくて女の子として大好きなんだって。でも気づいた時には遅くて、東京の大学から合格通知が来た後だったよ。なんでもっと早くに気づかなかったんだって、なんか無償にイライラした。今すぐにでも気持ちを伝えようって何度も思った。でも、なつみを困らせてしまうかもって思うと言えなくて....それにこの関係が終わったらオレ耐えられないと思ったから....女々しいよな。でもやっぱマイナスな事しか頭になかったんだ。卒業式の日お前と2人で帰れるってなってすごい嬉しかった。丘に行った時お前のニコニコした顔をみてホッとした。この気持ちはオレの中に閉まっとこうって決めたんだ。でもさ、なつみがいる事が普通だったからほんと耐えられなくて、何度も電話してほんと迷惑だったよな、ごめん。5年たっても1日もお前の事忘れる事できなくて....そしたらお前がそこにいて....心臓が止まったかと思った。そしたらじっとしてられなくてさ、来たゃった。
なつみ、長々とごめんね
オレが伝えたかった事はほんとは
こんな事じゃなくて
オレ、なつみの事が大好きです。
コレがずっと、伝えたかった」
そう言うと真琴は少し照れながらニコっと笑った。
「なつみの話しはなに?」
『わ、私は....』