第6章 引っ越してきまして :橘真琴 切甘
「あぁ、マコのだ!なつみちゃんこれ使いな」
『え?だって持ち主が困っちゃうよね?』
「だーいじょうぶ!クラス違うし、教えてる先生一緒だから授業が被るハズがない!よかったね☆あたしに感謝だね!」
ってゆう、優ちゃんの言葉を信じて《橘真琴》さんの教科書を借りた。
その教科書のおかげで難なく授業は受けれた。
課題の存在を忘れてたことは悔やまれるけどね。
次の授業がそろそろ始まるぞ、ってときに突然扉が開いた。
「優!オレの国語の教科書持ってるよね!?」
「ぁあ…あるね」
「次!国語だから返してほしい」
「だって、なつみちゃん」
『「……??」』
ぁあ……。
あぁぁああぁ!
国語!教科書!借りた!
え?じゃあこの人が…
『橘……真琴……くん?』
「え?あ、うん。えっと……ごめん誰?」
ですよね。
「真琴、なつみちゃんだよ!前話したよね?うちのクラスに転校生来たって!」
「ぁあ!転校生!ごめんね、見ない顔だったから…橘真琴です。よろしく ニコッ」
『ぁ…井上なつみです///』
「なつみちゃんね。……って、優!教科書!」
『ぁあ、ああの!私が持ってます///私今日忘れちゃって…、転校してきたばっかだから…借りれるような人居なくて…勝手にすみません』
「そうだったんだ。クスッ 別にオレの使うのは構わないよ。今度から何か困ったことがあったら遠慮なくオレに言ってね。優よりは頼りになると思うから」
「はぁ!?あたしの方が頼りになるし」
「どうかな?優はわがままだしせっかちだから逆になつみちゃんに迷惑かけちゃうんじゃない?」
「真琴!サイテー。なつみちゃん、教科書返さなくていいよ」
この2人…付き合ってるのかな?
ズキッ
………あれ?何でだろう胸の辺りが苦しい…―