第6章 引っ越してきまして :橘真琴 切甘
岩鳶生活も数週間が過ぎだいぶ馴れてきた。
「なつみちゃんおはよー」
『優ちゃんおはよっ』
あまり気張らなくてもよかったのかな?
友達…普通にできた。
「なつみちゃん国語の課題やった?あたし国語ホント無理なんだよね~」
『課題?そんなのあったっけ?』
「キタッ!あたし以上のやつ!!」
『優ちゃん…ちょっとひどいよ。そもそも国語今日無いしいいんじゃないの?』
「え?今日国語あるよ?」
『え?……―ぇええ!?ホントに?教科書忘れた―!』
「持って帰ってるんだ―。他のクラスの人に借りれば?」
『いやいや、教科書貸してくれるような知り合い居ないし』
「そういや転校生だったねー」
ど う し よ う !
私が真剣に悩んでるなか優ちゃんは他人事かのように伸びをしていた。
まぁ、他人事なんだけどさ…。
「しかも、1限からだよ?どんまい☆」
とかいいながら優ちゃんは自分の教科書を出す。
「あれ?2冊ある…なつみちゃん!2冊あるよ!」
『何でだよ。誰かの間違えて入れたんじゃない?』
「えー…誰のだろ」
そう言うと名前を確認する。
そこには綺麗な文字で
《橘 真琴》
と、書いてあった。