第4章 縁日のご縁。 :橘真琴 甘
『江!ごめん、髪型お母さんに整えてもらってたら遅くなっちゃった!!』
「なつみ!やっときたー、遅いよ」
『うー、ごめん....』
「まったく、今回はその可愛い浴衣姿に免じて許してあげます!ほら、屋台見に行こう!」
『うん!私綿菓子食べたいなー』
江との待ち合わせに少し遅れるというアクシデントはあったものの、イカがメインに立ち並ぶ屋台を見るな否や一目散に走り出す江を見てやれやれと思いながら後を付いて行く。
「あ、遙先輩だ」
『え?遙先輩?』
「水泳部の先輩!」
江から何度も聞かされた気がするその名前に合点が行き、『ぁあ〜』と答えると江は「行くよ!」と言って手を引いた。
行くとは....どちらに?
「遙せんぱーーい」
あ、やはりそちらですよね。