第4章 縁日のご縁。 :橘真琴 甘
朝、登校した時に校舎に垂らされた「祝水泳部」の文字をみて私は友達の江が所属する岩鳶高校水泳部が地方大会に出場することを知った。
『江!おめでとう。水泳部、地方大会出るんだよね?』
「なつみ!ありがとっ!ほんっと嬉しいよー。でも、みんなにはもっと上を目指して欲しいの!!」
『向上心の高いマネ様なことで クスッ』
「運動部たるものとーぜんです!なつみ達も試合勝ったんだよね?」
テニス部に所属する私は江達と同じ日大会だった。
先輩方の活躍により団体で優勝を勝ち取ることができ今後の部活にはより一層力が入る事が予想される。
『うん!勝ったよ』
「おめでとー!あ、そういえば今週末って部活?」
『ううん。休みだけどどうかした?』
「じゃあ一緒に縁日行こうよ!久々になつみと遊びたい!」
『うん!私も江を誘おうと思ってたんだー!楽しみだね』
この縁日が私の一生を変えるまさにご縁の日になるなんて、私も江も、もちろんあの人も思わなかったはず。