第28章 兄への想い、妹の願い
「ツグミ…」
再び泣き崩れた私を見てNは優しく頭を撫でました
「私のせいで…お兄様をここまで追い詰めてしまった…ごめんなさい…お兄様っ……」
「「「「「「!?」」」」」」
「ツグミ…貴女のせいではありません。どうか自分を責めないでください!」
「此処に貴女を責めている人は居ませんよ。だから…泣くのはお止めなさい」
「ヘレナ…バーベナ…」
だけど…私がお兄様を置いてプラズマ団を去ったのは事実
お兄様がそのことで…怒って…
「あの…ツグミさん」
「はい…?」
キョウヘイが私に声掛けました
「なんで…こんなに酷いことされたのにお兄さんを責めないんですか?散々利用して…Nさんと離ればなれなるきっかけを作ったりしたのに」
「………」
私には…お兄様を責める資格はない…
「お兄様は…可哀想な方なのです……お父様達を突然事故で失い、引き取った義両親にも…愛されなかった所か…自由をうばわれていた」
「でもそれは…ツグミさんも、同じでしょう?」
「私には…共に痛みを分かち合い、励まし合うポケモン達が…トモダチが居ましたから」
「ツグミ…」
Nは黙って私の手を握りました。
「私…お兄様と再会した時嬉しかった。あの方は、私の血の繋がった…たった一人の兄です。どんな事情があっても、大切な…兄妹ですから…私はもう…家族を失うのは二度と嫌なんです…!」
泣きながらそう伝える私に、皆さん何も言わなくなりました