第12章 純粋な想い
「なんなら口移しする?」
「なっ!ななな何言ってるのですか!第一風邪が移ってしまいます!苦いのだって改善されないです!」
ぶんぶんと首を横に振る私に、Nは少し残念そうな顔をした…気がしました。
「じゃ、飲んで?」
「~~~~っ……」
観念して薬を受け取り、ふたを開ける。
ビンの中からはなんとも言えない薬の匂いがして、私はうう、と半泣きしました。
「…仕方ないね」
「?」
Nは私から薬を取り上げると、その薬を口に入れました。
続いて水を含みました
そして、呆気にとられていた私に口づけ…!?
「…!?ん……っ!!」
頭は真っ白、顔は真っ赤です!!
バタバタと手足を動かしてNから離れようとすると、口に苦いものが広がるのを感じてから私は解放されました。
「~~~~~っ///!!」
恥ずかしすぎて、何も言えないです!!
口が上手く動かないです!
目の前のNはというと、私に向かってニコニコスマイル…!
「く、口移しは駄目って言ったばかりです!!風邪移っても知らないですよ!?」
「ツグミの風邪ならいいよ、別に。それにもしボクが風邪で倒れたとしても、キミは放っておけないでしょ?」
「…っ…!!」
色々と見透かされているのが嫌で、私は視線をそらします。
その様子を見てNはクスッと笑うと、私の額を触りました
「まだ少し熱いね」
額から手を離すと、Nは私の肩を抱きます。
「きゃっ!?」
そして、身体がNの方に引き寄せられました。