第10章 求めるもの
「………うん。」
白澤さんは頷いてむくりと起き上がると私に手を差し伸べてきた。
これは…とったほうがいいよね…?
「……?ありがとう…ございま…」
手を重ねた途端、グイッと引っ張られ、白澤さんの体にもたれかかる形になる。そのまま肩を掴まれたかと思えば膝の裏に手を入れら……
「わああああああやめでください下ろしてください!!」
「暴れない暴れない。」
しれっと立ち上がるけど待ってこれお姫様抱っこってやつじゃないですか!!!!!!
まさかこんなこと自分の生涯で…いや死んでるからなんだ?大人になってからされるとは思わなかった。
ていうか
「ホント下ろしてください!!重いし!!」
「僕これでも神様だよ?女の子1人持ち上げるくらい楽勝。」
「そういう問題じゃ…!」
そんなやり取りをしてる間にすぐに寝かせるようにおろされた。
おろされたのはいいんだけど、
この柔らかな感触はどう考えても床じゃない。
「白澤さん…?」
「さゆちゃんがどのくらい僕のこと軽いと思ってるか知らないけどさ、これでも結構一途だったりするんだよ?」
スルッと白衣を脱ぎ捨てると再び白澤さんが上に被さってくる。
「さゆちゃんと付き合ってから、そろそろ半年かな?衆合地獄に結構遊びに行ったりもしたけどさ、あれ本当に普通に遊びに行っただけなんだよね。花札とかさ。」
「え……」
「つい癖で声かけたりはしちゃうんだけど、他の誰も抱く気になんてなれなかった。そもそも家に帰らない方が落ち着かなかったっていうか。だからさ、今日はいいかな?」
「君を抱かせてほしい。」