第2章 そうだ、デートに行こう。
「じゃあ、明日の夜に…私、夜の桃源郷を散歩とかしてみたいんですけど…」
「しよう!!!いいね!!!!さゆちゃんとならどこへでも!!!!」
ハイテンションで食い気味のままの白澤様。
さゆちゃんはその様子に少し照れながらじゃあおやすみなさい。とリビングから去っていった。
「桃タローくん!!!!!!!!!」
頬を赤くし、目をきらきらと輝かせた白澤様がこちらへバッと顔を向ける。
「デート!!!!!聞いた??!!明日僕さゆちゃんとデートするんだよ!!!!」
子供の様に笑いあからさまに喜ぶ白澤様につられて俺も微笑んでしまう。
「聞きましたよ。よかったですね。(一瞬別れ話かと思っちゃったけど。てかフラれたらこの人死ぬんじゃないか…?)」
「良かった!!!!!どうしよう!!!明日着替えた方がいいかな???おしゃれした方がいいよね??!!」
「それだけはやめておけ。」
白澤様の私服センスは中々のものだ。まぁ何せ中身が爺だから仕方ないといえば仕方ないのだけど…
さすがのさゆちゃんも初デートで外してほしくはないだろう。ていうか2人で服買いに行けば良いんじゃないか?とりあえず明日はさゆちゃんの希望での散歩だから2回目にそれを勧めよう。
「どうしよう!どこがいいかな?!この辺て蛍とかいなかったっけ?? 明日!!明日だよ??」
「そうですね。蛍はいなくても川沿いとかをのんびり歩くだけでもいい雰囲気ですよね。」
明日かぁ!デートかぁ…!とハートを飛ばしてる白澤様の興奮はなかなか冷めそうにない。
いっつもペラッペラで軽い白澤様だがやっぱりさゆちゃんの事は本当に好きなのだろう。自分のことではないけどなんだか嬉しくなってくる。
いい天気だといいなぁ〜
どちらともなく立ち上がる。
そろそろ俺たちも眠る時間だ。
白澤様に続いてリビングから出るとき、ドアの横のスイッチを押して電気を消した。