第7章 話して触れて愛させて
「じゃあ、ありがたく頂いていきます。」
鬼はそういうと薬を懐に入れ料金を置いていく。
「おう、さっさと帰れ!」
「そこまでお送りしますね。」
「さゆちゃんそんなことしなくていいから!」
「チッ!」
さゆちゃんを引き止めると鬼はあからさまに舌打ちをする。この野郎…
その場はなんとかさゆちゃんを引き止めてあいつを帰らせたけどまたひょっこり現れそうで気が引けない。暫くはあいつに近づけないようにしよう。
「はぁ〜〜明日まで長いなぁ…」
「?何がですか?」
「何って…お触り禁止に決まってるじゃん…」
「え?解禁は明日じゃなくて明後日ですよ?」
「は?!えっちょっと待ってよ、一昨日でしょ、昨日でしょ、今日で3日!明日解禁でしょ?!」
「違いますよ、昨日、今日、明日で3日で明後日解禁です!」
えっまってまって??聞き間違い??でも確かに今日からとは言ってなかったな…
「無理!!!やだ!!!今日まで!!!」
「えー?だって全然反省見えないし。」
さゆちゃんはそういうと僕から顔を逸らした先の桃タローくんと何やらこそこそ話している。
「……うん…そうだけど……うんーわかったよ…。」
大方このままじゃ面倒くさいとか仕事が進まないとかそんなこと話しているんだろう。
この際理由はどうあれ桃タローくんナイス!!
「わかりました。じゃあ特別今日までにします。」
「やったー!!」
「で、も!」
万歳をしたところを人差し指でぴっと指さされる。
「今日は何があってももう本当に触りませんから!」
「はい。」
ビシッと釘を刺されおずおずと腕をさげる。
まぁ今日いっぱいならなんとか頑張ろう。