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距離感がおかしい

第3章 馴れ初め





さゆちゃんを好きになったこと。
意識しすぎて距離をあけてしまうこと。
そのせいでさゆちゃんに僕がさゆちゃんのことを嫌っていると誤解されていること。


僕の気持ちを全部話した。

そりゃもう懺悔みたいに。




「それは……」
「馬鹿ですね。」
「わかってるよ!!!でも仕方ないだろ?!初めてなんだよこんなの!!」

あぁもう泣きたくなってきた。しかもなんでこいつまでちゃっかり聞いちゃってるんだよ…。

「でも私はなんだか嬉しいわ。白澤様、本当に好きな子には奥手なんですね。」
「そうみたい……」




「そういう事なら、お部屋、抑えておきますね。」と微笑んでお香ちゃんが去っていった。


あれ?僕ここで待ってた方が良いのかな?
どうしたもんかと考えているとあいつが口を開いた。


「意外ですね…」
「悪かったね。僕だって長く生きてるとそういう事もあるんだよ。」
「いえそれもそうですが…」
「…?なに?」
「いえ、確かにさゆさんは素敵な方ですけど、あながそこまで執心するとは…というかなぜ他の誰でもなく彼女なのかというのが気になります。」
「そこまで特質した魅力があるように見えないって?」
「もっとキャラの濃い方と比べると。」



言わんとする事はわかる。でもさゆちゃんが悪く言われているようでむかついた。


他の子じゃなくてなんで彼女なのか…?
そんなの…



「そんなの…僕が分かるわけないだろ。
でも、それでも彼女なんだよ…」
「そういうもんですか。」
「そういうものなんだよ!!!とかいってさゆちゃんに惚れるなよ!!やらないからな!!!」
「あなたのでもないでしょう。」




きっと睨みつける。なんだかんだ否定しないところがむかつくんだ。


「白澤様、お部屋取れましたよ。」
「お香ちゃん!ありがとう。」
「いいえ、でも誤解なら早く解いた方が良いと思うわよ。」
「そうですよ。地獄も人員不足なので私は隙あらば勧誘しますよ。」
「お前はいちいち本当に煩いな…」



これからどうしようか。
とにかく誤解を解かなきゃ…
ああ、桃タローくんにも相談したい…



そんな事を考えながらふらふらと歩いていたら柱に思いっきり激突した。

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