第3章 馴れ初め
「はぁ〜〜どうしよ…」
「どうでもいいので帰ってください。そもそもなんでここにいるんですか。」
「うるさいなぁ!僕はお香ちゃんに会いに来たんだよ!」
閻魔殿の中央。
お香ちゃんの姿は見えずあいつが黙々と仕事をしている。僕といえば(よっぽど忙しいらしく)あいつが突っかかってこない事を良しとし何をするでもなく、これからどうするかを30分ほどボーーーッと考えていた。
「あら白澤様。どうなさったの?」
「お香ちゃん…!!今日どこか宿空いてる??女の子は付かなくてもいいから!!」
「ええ…空いてるけど…」
やった!さすが僕の女神!
謝謝〜〜!とバンザイして、ハートを飛ばしながら近づくとお香ちゃんとあいつが何かいいだげな顔をしている。
「え?なに?」
「いえ…ねぇ…?」
「まさかあなたの口から女性がいなくても良いなんて発言が聞こえるとは…」
「へ…?僕そんなこと言ったっけ?」
うん…、言ったかもしれない。
でもそれがなに?
だってさゆちゃんのこと考えなきゃ…
…………………………
いやまておかしい。女の子は絶対にいた方がいいに決まってる。
「あぁもうやだこわい…」
思わず頭を抱えてしゃがんでしまう。
「どうしたんですか今日のこの人は…」
「う〜ん……もしかして…」
さゆちゃんのことで何かお悩みとか?
ガバッと顔を上げお香ちゃんの方へ向く。
心臓の音がうるさい。
「えっ…なんで…?」
「だって白澤様、最近さゆちゃんの事ばっかり考えてらっしゃるから。」
にこにこと笑うお香ちゃん。あいつといえばほぅ…そうなんですか?とこちらを見てくる。
「僕ってそんなにわかりやすい…?」
「ええ、だいぶ。最近、ショッピングしててもさゆちゃんに似合いそうなのばかり探しているし、お店で声をかける女の子も…」
「ああああ待って!!!!それ桃タローくんにも言われた…!!!!あぁもう本当僕気持ち悪いな!!!!」
「本当に気持ち悪いですね。」
「お前には聞いてないよ!!!」
あぁもう恥ずかしい!
あいつは知らなかったみたいだけどお香ちゃんにばれてるってことは他女の子にもばれてるんじゃない?
「で、さゆちゃんと何かあったんですか?」
「それが…」