第12章 愛しい人へ(中編)
俗に言う殺し屋に依頼した内容に相手は若干眉をひそめた。
1つ、決行する日はこちらには連絡せず、そちらの都合の良いタイミングでやる事。
2つ、生きるか死ぬか、確実性のない方法を取ること。
その依頼の3ヶ月後、彼女はひき逃げにあって死んだ。
会社にいるオレの元へ祖法が届き、病院で色を失った彼女と対面する。
殺し屋の仕事は完璧だった。
完璧な流れだ。
依頼を忘れかけた3ヶ月後。
突然かかる祖法。
打ち所が悪かったひき逃げ。
完璧だ。
ああでも
この流れを作ったのは他でもない。
オレだ。
直接だろうが、殺し屋に依頼しようが関係なかったんだ。
オレが彼女を殺した。
オレが殺したから彼女は今死んでいる。
ならばこれは当然の結果じゃないか。
愛する彼女を殺して出した結果は圧倒的無だった。