第3章 馴れ初め
3・4日後だったかな。
彼女がまたやってきた。
すみません…と彼女が、入ってきたとき恥ずかしい話、タイミングよく僕は当時付き合っていた子にビンタを食らっていた。
「本当サイテー!!この罰当たり神獣!!!」
僕をビンタした子は先日他の子をお店の奥に連れ込んでいるのを目撃したらしい。入ってきたばかりのさゆちゃんを睨みつけると「もしかしてあなたもなの?!こんなクズやめときな!」と言い捨てるとお店から出て行ってしまった。
「大丈夫ですか?自業自得みたいですけど…」
「ダイジョーブ。また来てくれて嬉しいよ。今お茶入れるね〜」
「さっきの人、追いかけなくていいんですか?」
「まぁよくあることだから。あの様子じゃもう会ってくれないだろうしね〜」
「え、じゃああの人とはもう別れちゃうんですか?」
「まぁ僕が悪いんだしね〜でもだからって女の子との出会いを逃すわけにはいかないじゃない?」
「あの人は好きじゃなかったんですか?」
「もちろん好きだったよ。でも他の女の子も好きなんだ。」
彼女はどこまで僕の噂を聞いているんだろう。
そういうもんですか…というとどこか寂しそうだった。こんな空気はごめんだ。
「まぁまぁ!とりあえず座ってよ!お茶の飲みに来てくれたんでしょ?」
「あ、はい。あ、あとちょっと相談したいことがあって」
「相談?」
とりあえず彼女を座らせうさぎさん達に相手をしてもらう間に僕はお茶の支度をすることにした。
相談ってなんだろう?もしこの間のお誘いにのってデートしてくれるとかだったら随分まずいところを見られてしまった。好感度を回復しなければ。
「お待たせ〜」
「ありがとうございます。すごくいい香り」
「味もいいよ。体の芯から温まるからね〜。で、相談ってなに〜?」
「あ、そうそう、私、生前は整体で勤めてて、マッサージも少しやってたんですけど漢方も少し興味あって。それで白澤さんの本とかお借りしたり少し教えてもらえたらなって…」
きたきたきたぞ!これはいい流れだ!
「いいよいいよ〜〜!!是非是非!!っていうかそういう事ならここで働かない??家賃免除、食事付き、給料もつくよー!」
いつもはこんな提案はしない。というかそもそもこんな風に漢方に興味のある子がいなかったのもあるけど。でも今思うとこの時点で他の子とは違う気持ちがあったのかもしれない。
