第3章 馴れ初め
僕こと白澤は自分で言うのもアレだけど神獣である事と同時に女好きであることで有名だ。
「なんでもっと誠実になれないの?」
「私のこと本気で好きじゃないんでしょ?」
何千何百と聞いた言葉だれどどれも外れてる。
僕はあくまで誠実なつもりだ。
だから基本人妻には手を出さないし、結婚しようなんて無責任なことは言ったことがない。
それに誰のことも本気じゃないんじゃなくて誰に対してもその一瞬一瞬、僕は常に本気だ。
かわいい女の子がいたら付き合いたいじゃない。
遊びたいじゃない。本気で誠実に女の子と遊ぶのが何よりも楽しいんだ。
だからかわいいなって思った子がいたらすぐ声をかける。さゆちゃんと出会ったきっかけもナンパだったな。
その日、僕のお店極楽満月にきた彼女は薬を買いに来ていた。
「すみません…頭痛薬ってありますか?ってわっ!うさぎ!」
「いらっしゃ〜い♪この子たちもここの従業員なんだよ。」
「へぇ〜さすが天国…ファンシーというかなんというかかわいいですね。」
にこっと微笑むその子にきゅんときた。かわいい女の子のご来店は大歓迎だ。
「かわいいというと君の方がかわいいよ〜どう?これからひま?僕とデートしない?夜も空いてるよ」
少しぽかんとした彼女はふふっと笑った。
「ご店主さん、白澤さん…?噂どおりですね。すぐ声かけるって。」
「え?なーに?そんな噂流れてるの?いやだなぁ〜本当だけど」
本当なんですね。と口に手を当て笑う女の子。嫌がられてはない。むしろ好感?これいけるんじゃない?
「で?どう?誘われてみない?」
「ふふっせっかくですがお断りします。今日、曇ってるからか頭ずきずきして…。帰って寝ようかなって。」
「なんだぁ〜でも体調悪いんじゃしょうがないね。じゃあサービスするからまた来てよ♪美味しいお茶も出すよ〜冷え症とかにも効くやつ。」
「あ、ありがとうございます。冷え症なんでそれちょっと気になります。」
「冷え症なら人肌で温めるのがいいよ〜僕とかオススメ〜♪」
神獣の方の白澤さんなら少しもふもふしてみたいです。
と笑う彼女はやはりかわいい。僕としてはこちらの姿のまま抱擁したいところだけど彼女にもふもふされるのも悪くない。
薬を渡すと「では」と彼女はすぐに帰ってしまった。
また来てくれるかな。