第10章 求めるもの
「それとこれとは別っていうか心の準備ができてないっていうか待ってくださ…」
落ち着いてと続けようとしたところで引き寄せられ、唇が触れ合ったかと思えば舌がぬるっと入ってくる。
舌の縁をなぞられるように舐められたり、口の中で執拗に動かされ、息が漏れたところでゆっくりとそれが離れた。
自分の顔がじわじわと熱くなるのを感じて、白澤さんの肩にそれを埋める。
「さゆちゃんそれ癖?キスした後顔隠したがるよね。」
「うるさい。」
ははっと笑いながらぎゅーっと抱きしめてきたかと思えば腰を柔らかく撫でてくる。
「ちょ…っとやめてください!くすぐったい!!」
「そっかぁ〜脚は?」
「…っ!」
ぎゅっと抱きしめられたまま、さっきまで腰を触っていた手で今度は服の上から脚を撫でられる。
「ちょっとまって脚は本当だめだから!」
「みたいだね。」
みたいだねじゃないわ!!!
完全に面白がってきている白澤さんは今度は浴衣の裾から手を入れ、足首、膝、太ももと撫で上げていく。
自分で触るならどうってことない。
でも人に触られていると意識すればする程ぞわぞわしてたまらない。
逃げようと脚を動かせば余計に手は付け根へと近づく。
「…っ白澤さん!」
「ごめんごめん」
笑いながら謝るものの、背中は再びゆっくりとベットにつけられた。
やめる気はさらさらないんですね!!
手はもう完全に脚の付け根についていて、指でそっと下着の縁に合わせてなぞられる。
ぞわぞわっとしたその感覚に、反射的に白澤さんの服をぎゅっとにぎると、白澤さんは子供のようにいたずらっぽく笑った。
「くすぐったい?」
「わかってるならやめてください…!!」