第15章 誓いのキス ※R15指定
[美琴]
征十郎さんに抱えられて、私は、ホテルの広い洗面所に連れていってもらった。
抱えられて恥ずかしいのに、目が痛くて、それどころでもなくて。
でも、そんなことよりも…。
さっきのキスが、あまりにも、強く征十郎さんを感じて。
今までの、キスと違う。
征十郎さんに、食べられてしまうようなキス。
征十郎さんは洗面所について、私を下ろしてくれた。
「コンタクトは初めてだった?」
「あ、はい。昨日から着ける練習はしてたんですけど…。…ありがとうございます。後は自分で…。」
恥ずかしくて鏡を前に俯いていると、征十郎さんの手がまだ腰に回っていて。
「あ、あの?」
私は、戸惑って征十郎さんを見上げると。
「腰立たないだろ?支えてあげるよ。ほら、早くコンタクト。」
私は、征十郎さんに申し訳なくて、アワアワとコンタクトをとろうと指を動かすのだった。