第15章 誓いのキス ※R15指定
[征十郎]
美琴がコンタクトをとっている間、俺は、彼女の後頭部を見ていた。
そういえば、俺は彼女の後ろ姿を、あまり見たことがない。
いつもは、俺が前を歩き、彼女が後を追う。
または、俺に気がついて、振り返ってくれるから。
俺は、彼女の気遣いや優しさに、気持ちが熱くなる。
俺は、力を抜き目を閉じ、彼女の頭に、額を乗せた。
「?!あの、赤司さん…?」
戸惑う美琴の声に、クスリと笑い、俺は支えていた腕を、腰に巻き付かせる。
「取れた?」
「あの…はい。取れました。でも…あの眼鏡がバックの中で、今…何も見えなくて…。」
俺は、鏡の前で俯いている美琴の首筋に、キスを落とした。
「…じゃあ、少しだけ、俺だけを感じて。」
俺は美琴を反転させて、洗面に密着させる。
彼女の肩口に、キスを落としながら、美琴の体を撫でる。
「んんっ…あ、赤司…さん。」
「征十郎だ。」
「んぁ……。あの……せ、征十郎…さん……ぁんっ。」
「美琴。」
美琴が、俺の腕の中で弱々しく抵抗しているのが、余計にそそる。
ドレスの裾を探り上げ、彼女の太ももを撫でると、ビクッと反応するのも可愛くて、俺は、少しで済まない予感を感じる。
俺は、太ももを撫でながら、デコルテを舌で舐める。
「んゃあ……。」
美琴の鼻に抜けた甘い声が、俺の理性を壊していく。
「美琴するよ。」
俺は、彼女を抱えて、寝室へ入ろうとしたところで、内線電話が鳴ってしまう。
「……征十郎さん、あの、出てください。急用かもしれません…。」
弱々しく俺を見上げる美琴に、俺は負けた。
ため息をついて、美琴をソファーに下ろし、受話器を取る。
「はい。」
《征十郎様、ご主人様がお呼びです。》
「……分かった。」
俺は受話器を戻し、ソファーに戻ると、美琴が目を閉じ、安らかに眠っていた。
今日は色々なことが起きて、疲れたのだろう。
俺は苦笑して、彼女を抱え上げ、寝室に運ぶ。
目を覚まさない彼女に、優しい口づけをして、頭を撫でる。
「…少し行ってくる。おやすみ。」
寝室のランプを付けて、寝室を後にした。