第11章 お姫様に変身
「さてと、どーしたもんか。
やっぱり既製品はやめておこう。
ブランドも高校生には似合わないし。」
そういいながら2人で京都の小道を歩いていると、小さい黒板の看板を見つける。
「「お嬢さんのクローゼット・2階へどーぞ?」」
白い2階建てビル。
アイビーの蔓が蔦って、クラシカルな雰囲気がする。
私たちはちょっとした興味で、2階へ上がり扉を開いた。
「「うわーーー!!!」」
中は色々なドレスが置かれていた。
主に私たち学生向けなのか、可愛らしく繊細で、綺麗な色が揃っている。
「こんな場所あったんだ。知らなかったなぁ…。」
優希は店の中へ入り、ドレスを選び始める。
黒地に黄色いリボンが巻かれているのよなデザインのドレスや、フレアスカートの裾に大きな蝶が1羽留まっているような紫色のドレス。
私もドレスに引き寄せられるように、店の中に入り、ドレスをそっと触った。
ガタッ
「「!?」」
「お客さん?」
黒髪を後ろで纏めた、眼鏡美人さんが、棚の後ろから出てきた。
「あー、勝手に入ってごめんなさい。」
優希は店員さんに謝ると、眼鏡美人さんは両手を振りながら笑った。
「いえいえ、どーぞ見ていって、全部渾身の作品たちよ。」
「このドレス、すべて貴女が作っているんですか?!」
私は驚いて店員さんに寄った。
「そうよ。全部私が作ったの。年若い女の子たちへ最高のドレスを贈りたい。
そう思って、このお店を開いているの。」
「へー。」
優希は店の中のドレスを見渡し、関心している。
「で、2人ともどんなドレスをお探し?」
店員さんが、私たちを笑顔で見た。
「私じゃなくて、この子のドレスを探してるんです。」
「はい。とても大事なパーティーにお呼ばれしたのですが、着ていくドレスが手元になくて。」
私はおずおずと前に出て、説明した。