第11章 お姫様に変身
= 次の日 =
「んーイマイチ。」
優希と私は、京都で一番大きな百貨店に来ていた。
部活は午後3時からだから、私たちは寮を早めに出て、私はフィッティングルームで何回も試着を繰り返していた。
「ダメ?」
「うん。美琴は上品だからね。やっぱり、既製品でなんとかしようって方が、いけなかったかも。」
「え?そんなことないよ。どのドレスも素敵だもん。
私が地味だから、似合わないのよ。」
私は自分の不甲斐なさに視線を落とし、眼鏡を外して、ハンカチでレンズを拭く。
「美琴!!!」
がしっと両肩を優希に掴まれ驚いていると
「まず、コンタクトにしよう。」
そういって、ドレスをすぐに着替えるように言われてしまった。
「なんか…変な感じ…。」
私は、はじめて目の中に入れたコンタクトレンズに、不安を感じながら、優希をみた。
「…………うん。もともとの可愛さに磨きがかかった。かかったけど……これはヤバイかも……。」
一時的に入ったカフェで、何故か優希が憂いてしまっている。
「やっぱり、眼鏡の方がいい?
お兄ちゃんたちも、眼鏡の方がいいて、外させて貰えなかったんだけど…。」
「違う違う。はぁ、美琴は、お兄さんたちに守られて育ったんだね。」
2人でコーヒーを飲むけど、なんだか落ち着かない。
周りからの視線をすごく感じる。
優希がカッコいいからだなと結論づけても、居づらくてすぐお店を出て、歩道を歩いた。