第7章 女子部のマネージャー
[征十郎]
2週間前、美琴から相談があると、この前2人で行ったカフェで待ち合わせをした。
美琴からの相談は、女子バスケット部のマネージャーになりたいと言う話だった。
俺は、思考を巡らす。
そして、彼女にいいんじゃないかとアドバイスしたのだった。
= 現在 =
放課後、いつものメニューで、俺たちは外周を走っていると、横を走っている実渕が、声をかけてきた。
「なんでなの?美琴ちゃん、なんで女子部のマネージャーなのよ。」
俺は、横目で実渕を見て、すぐ視線を前に戻す。
「美琴がやりたいと言ったからだ。」
俺は息を乱さず、走る速度をあげる。
すると、それに合わせるように、速度をあげて追いかけてきたのは、葉山だった。
「あんなに可愛い美琴ちゃん、女子部にとられちゃってさ!
男子部に来て欲しかったなぁーー!!」
そう言って、両腕を頭の後ろで組み、空を見上げて走っている、葉山を一瞥した。
「葉山。お前だけ、20周追加だ。」
「え?!え!!なんで俺だけぇーーー?!」
葉山の叫びを聞き流し、走る速度をまた早める。
『男子部でマネジャーになるより、女子部でしていたほうが、安心だ。』
日本に来て、はじめて美琴が自分から何かしたいと言ってきたんだから、好きにしてやりたい。
俺がいいと言ったとき、彼女はすごくホッとした優しい笑顔だった。
美琴のあの時の笑顔を思い出して、微笑したのだった。