第6章 新学期の出会い
練習が終わり、私は優希にタオルを渡した。
「お疲れさまです。」
「あぁ。ありがとっ、美琴。どう?うちのチームは。」
優希は、タオルを受け取って、汗を拭きながら、ドリンクを飲んでいる。
「うん、凄かったです。女子のチームは、力より技術で勝負するんですね。動きが洗練されてて綺麗でした。」
「………美琴、うちのマネージャーにならない?」
優希はタオルをおいて、私の手を握った。
「え?!あの、でも、私、足を引っ張ってしまうかも。」
「大丈夫、ちゃんと教えるから。
私たちのプレーをそんな風に誉めてくれる美琴に、マネージャーになってほしい。
考えておいて。」
最後にニコッと笑って、手を離してくれた。
『女子部のマネージャー…』
私は、体育館のモップ掛けと片付けをしている、女子部員達を見て、考えてみることにした。