第6章 新学期の出会い
「美琴は赤司様と知り合いなの?」
「知り合いというか…それより、赤司…様?」
「そ。赤司様。
1年の時から、生徒会で会長になり、バスケ部でも部長の座についた。
まさに、唯我独尊、絶対王者、赤司征十郎。
しもじもの者は、敬意を払って、年上だろうと、赤司様って呼ぶのよ。」
「絶対王者…」
優希の説明に、私の思考は停止してしまう。
『私、なんて畏れ多いことを…』
あわあわと、混乱している間に、女子部へ着いた。
男子部に比べると少ないけど、それでも30人はいる部員達が、優希を見て姿勢を正した。
「ま、ゆっくり見ていって、美琴。」
優希は来ていたジャージの上着を脱いで、バッシュを履いた。
「「「キャプテン!お願いします!!」」」
「はい、じゃー始めようっ!」
優希は、手を叩いて、部員のみんなに号令をかけた。
女子バスケ部も部活動が始まった。
『優希、カッコいい…』
私は、赤司さんとは違うカッコよさを感じて、優希を見つめてしまうのだった。