第6章 新学期の出会い
[征十郎]
練習を終え、男子寮に帰る。
根武谷は、腹が減ったと、早々に帰ってしまい、残ったのは二人のレギュラー陣だけだった。
「赤司さぁ、もしかして、さっきの子って、今日噂になってた転校生?」
葉山が興味津々で、俺に聞いてくる。
「あ、それってもしかして、異国からの転校生っていう??」
「そうそう!三年の教室まで噂が回ってきたぜ?
清楚で可愛いお嬢様って。」
「お前達。」
実渕まで話に乗ってきて、ため息をつき、眉を潜める。
「「で、彼女って、赤司(征ちゃん)の、なんなの?!」」
葉山と実渕が声を揃えて、迫ってきた。
「……婚約者だ。」
二人の動きが止まって、俺を振り返った。
「「婚約者?!」」
「お前達、黙れ。」
感情がイライラと波打つ。
俺は、二人をおいて寮へ入っていくのだった。