第29章 夏合宿 ④海と水着と
[征十郎]
バスケ部指定のパーカーから、水色の短い水着のスカートが覗き、そのスカートから白い足がスッと伸びていた。
なのに、彼女にそのことを言うと、恥ずかしそうに足を抱えてしまった。
ここまで彼女の露出した足を見るのは初めてだったのに、残念な気持ちだ。
俺は、意識しないように、海を見ようと心がけるが、久しぶりに美琴に会ったんだ。
意識しない方がおかしい。
その時、サーーーーーっと潮風が吹いて、彼女からふわっと花のいい匂いが香った。
香りに誘われるように、彼女の横顔を見つめると、それに気がついた美琴が俺を見た。
戸惑う彼女が可愛くて、いとおしくて、やはり全部知りたくなる。
「やっぱり見たい。パーカーの前開けて、見せて。」
そんな俺の言葉に、彼女は断ると思ったのに、小さく頷く姿に、目を見開いた。