第29章 夏合宿 ④海と水着と
「うっへーーーー!!きもちーーー!!」
「あーーー…暑かったから、すっごく癒される…。」
「やっぱこれだよ!海ぃーーーーー!!」
海へ思いっきりダイブする者や、漂って身体を冷やす者、海水を掛け合って、はしゃいている者、様々だ。
でも、みんな共通しているのは、運動部なのでスタイルがいい。
カラフルな水着に、下は短パンスタイルの水着を着用してはいたが、スラッとした足が海水を蹴っ飛ばして水しぶきが上がっている。
ハツラツとしたみんなの様子に、優希と顔を合わせて笑っていると、視線を感じる。
浜辺をちらっと見ると、他2チームの男子部がこっちを見ている。
それに気がついたのか、女子部メンバーが笑いながら、みんな一列に列び、仁王立ちした。
そして見ている、男子部にいい放った。
「「「「エッチーーー!!!」」」」
と、
すると、男子部が顔を赤くしたり、「うっせーよっ!」「みてねーっし!!」と返したり、浜辺が一気に楽しいムードになる。
「…なんか、いいですね。いっぺんに浜辺が和やかになりました。」
私はそんな様子に、目を細めると、優希は海ではしゃぐみんなを見守りながら、説明してくれた。
「はは。いつもの恒例行事なんだよね。
殺伐としたトレーニングじゃ折角の合宿も楽しくないし。
チラチラ見られたんじゃ、集中力もなくなる。
日頃男子部とは、体育館も別だしさ、コミュニケーションもとれるでしょ?」
クスクス笑いながら、優希は、クーラーボックスからアイスノンを出して、膝を冷やした。
私は、すぐに優希のテーピングをし直し、最後に膝を撫でた。
「痛いの痛いのとんでけ。」
小さい私の呟きが聞こえてしまったようで、優希が吹き出した。
「子供じゃないんだけどな。はは。ありがとっ!じゃ、行ってくるね!!」
そう言って、優希はTシャツを脱いで海へ駆け出していった。