第29章 夏合宿 ④海と水着と
[美琴]
浜辺ダッシュで疲れたみんなが、私のもとへ帰ってきた。
「あーーーー!!!疲れたぁーーー!!!ただいま、美琴!」
「お疲れさま、みんな。飲み物・スプレー・アイスノン用意出来てます。どうぞっ!」
「うっひゃーサンキュー!!大好きっ美琴っ!」
みんなが笑顔で喜んでくれ、私も笑顔で選手の疲れを癒す。
その間も私は、各選手の疲労度、スタミナの確認を黙視しながら、ノートに書き込んでいると、優希が私のところにやって来た。
「美琴。どう?」
優希は、私が記入していたノートを覗き込んできたので、そのノートを見やすく差し出した。
「それなりに疲れが身体に出ています。でも、今日はまだまだ元気みたいです。
それよりも、私は優希が心配です。
膝、違和感あるんじゃありません?」
私は、優希の顔を見上げ、すぐに膝へ視線を向ける。
「…ったく。美琴はすごいマネージャーだね。…大丈夫。今日はこのままトレーニングに参加するよ。」
優しい笑顔で、私の頭をポンポンと撫でた手に、苦笑してうなずくことしか出来ない。
「…分かりました。無理しないでくださいね?」
「了解。美琴マネージャー。」
そう言ってニッと笑う優希に、私も笑って答えると、他のメンバーがウェアーを脱ぎ、次々に海へ入っていった。