第29章 夏合宿 ④海と水着と
私は、みんなのTシャツを集めて、片付けをしていると、突然後ろから声を掛けられた。
「美琴マネージャー!!!」
「へ?」
振り返ったそのときだった。
バシャッバシャーーーーッ!!!
選手のみんながイタズラ笑顔で、海水を私にぶちまけたのだった。
「プハッ!…あ…びっしょり…も…もうっ!みなさん!!!」
浜辺で海水を思いっきり被った私は、着ていたウェアーも濡れてしまっていた。
そんな様子に、みんなは面白がって爆笑している。
「濡れちゃったんだから、それ脱ぎなよ!」
「私ら、美琴の水着どんなのか知らないんだし♪」
「楽しみにしてたんだから~。」
「次いでに、スクワットまで海に入ろうよ!」
みんなの勢いに困惑していると、優希が海で笑って、大きな声で助言してきた。
「美琴!濡れたTシャツの方が、なんかエロいよぉー!脱ぐか、パーカー着とくかしなぁー!」
「え?!」
私はハッとして、濡れて透けてしまっているTシャツを見て顔を赤くし、胸元を両腕で隠した。
その間も、男子部の視線が集まっている気がして、ワタワタとパーカーを羽織った。
「何でパーカー着ちゃうのぉー!」
「優希が余計なこと言うからぁ!!」
私に海水を掛けたメンバーが、残念そうに文句を言っている。
私は、そんなみんなに苦笑していると、水中スクワットトレーニングの召集が掛かり、海に入っていった。