第24章 勝負してください。
「美琴。」
「…征十郎さん。何度も練習中に来てしまって、申し訳ありません。
でも…今日中に、貴方に知ってほしくて、来ました。」
美琴のまっすぐに見上げる瞳に、僕の中の俺が、反応する。
しかし、美琴は、僕を見たかと思うと、すぐに視線を違う場所に移した。
視線の先には、香澄が僕たちを見ていた。
「香澄の話?」
「はい。」
「…あまり聞きたくない。」
「でも、聞いて欲しいんです。」
僕の中の俺が、心を乱されている。
これは、俺(僕)以外を大事に思う美琴に、イライラしている。
これが嫉妬か……。
「美琴。私から話すわ。」
香澄が歩み出て、美琴の肩に手を置いた。
その様子に、また僕の中の俺が反応する。
面白くない…。